無題

無題

たゞお友達になつて遊びませうね。お友達の垣根を越えないやうに　さうでないと　別れる時が辛いんですもの。





/竹久夢二「垣根」

熱

かなしみがかなしくなくてくるしみもくるしくなくて熱だけのある /岸原さや


 













本当のそれに遭遇したとき、言葉が意味を失っても、今のこの熱は感情を支えている。心の軋みを引き受ける熱だけが、感情を支えている。

聖獣のようなあなた つの を矯めつ その め眇めつ

眩しがる瞳（め）よ　ああ　なんという不思議　あなたがわたしを愛し始める /伊津野重美





















戸惑つているとききみの左眼がうすむらさきになるからこはい /西田政史

Interview

私が出逢った 彼の話。ピアノの前に座り、弾き始めた。

/ここはくにざかいなので午下がりには影のないひとも通ります











 





/大空の鍵盤に黒鍵はなし天使とは長調のかなしみ















/たどりつく岸辺はしらねどわたしたち川の字に寝る。遠くまでゆく

























/肩の線は綺麗に描いてください空の鳥がとまるところです
















/透きとほる耳もつものは森へゆけ虫が翅たたむ音ひらく音


  














/空の星かぞへるために十指につづくゆびがいります恋人よ
















我らみな神話の子 覗いて御覧なさい あれは弦楽。ああ お手を触れぬよう、笑いかけられても 決して応えては、いけません


















/ここはくにざかいなので午下がりには影のないひとも通ります


















われらみな神話の住人/笹原玉子

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あなた。

あなた










あなた








あなた








あなた











あなた








 














































あなた。吐いた。眞珠。だれにもいはない。ともだちつてさういふことだから。











/今橋愛

盂蘭盆

まだ部屋のどこかを泳ぐたましいのあかい金魚に水槽を買う /青柳守音